でも、スパイスって種類が多すぎて何を使えばいいのかわからない、特定の料理にしか使えず、パントリーの肥やしにしてしまいそう、と思っていませんか?実はスパイスは基本となるポイントさえ押さえれば、そんなに難しいことではないのです。
今回はスパイスの基本の使い方をマスターして、料理のレパートリーをぐっと増やしてみましょう。毎日の食卓にエスニックなメニューや、休日のホームパーティーにカフェのような一皿が増えると女子力UP間違いなしです。
- 目次
スパイスの基本的な3つの使い方
1-1香りづけ … 風味をプラス、臭みけし
スパイスの使い方のまず一つ目は「香りづけ」です。スパイス単体では砂糖や塩などの調味料のように味付けをすることはありません、あくまで風味や香りをプラスするのがスパイスの役目です。ただ、スパイスによって味が引き締まり、素材の持ち味を引き立てる効果がありますので、調味料の量を少なめに抑えることができます。食事の塩分を気にする方などには、ぜひスパイスを上手に使ってヘルシーな食事にしたいですね。
また、スパイスの芳香によって肉や魚の臭みを消すことも、「香りづけ」による効果です。調理前の下ごしらえの段階で肉や魚にふりかけたり、前日からスパイスに付け込んで置くことで、特有の臭みを消し、うまみを引き出してくれます。
スパイスの香り成分の正体は精油といわれるエッセンシャルオイルです。これはスパイスの内部に蓄えられているので、スパイスを挽いたり砕いたりすることで、その香りが生まれます。スパイスの形状によっては加熱したり、切込みを入れたりして香りを発生させることもあります。
1-2辛みづけ … アクセント、味を引き締める
スパイスといえば辛いものを連想する方も多いと思いますが、スパイスの役割の二つ目は「辛みづけ」。適度な辛さは料理のアクセントになり、また食欲増進の効果もあります。料理の味をぴりっと引き締め、大人向けの一品にもしてくれますね。
一言で辛みといっても、とうがらしのように焼けるような辛さもあれば、鼻につんと抜けるさわやかな辛さ、ピリッと引き締まるようなシャープな辛さなど、スパイスによって特徴も様々です。強い辛みを持つスパイスは、一度にたくさん入れてしまうと料理の味を大きく変えてしまうので、少量ずつ味を見ながら加えていくとよいでしょう。
1-3色づけ … 主な色味は赤、黄、見た目をよくする
そしてスパイスの三つ目の働きは「色付け」です。自然な色味を加え、目にもおいしそうな料理に仕上げてくれます。もちろん自然の成分による色ですから、小さなお子さんが口にしても安心です。スパイスによる主な色味は赤、黄などの鮮やかな色合い。盛り付けるお皿やカトラリー、テーブルコーディネートもトータルで考えたくなりますね。スパイスのビタミンカラーで目でもおいしく味わいたいものです。
スパイス別の特徴と使い方
2-1香りがたつスパイス
シナモン 肉以外にもお菓子や紅茶に使える
香りがたつスパイスといえば、「スパイスの王様」ともいわれるシナモンが代表格でしょう。日本でも「ニッキ」と呼ばれ、京都の銘菓、八つ橋などのお菓子にも使われています。また、インドのミルクティー、チャイやホットワインなど、料理だけでなく飲み物に使われることでも有名ですね。
ローリエ 肉の臭みけし など
料理で肉の臭みを消してくれるスパイスといえば、月桂樹とも呼ばれるローリエです。カレーやシチューなどの煮込み料理で活躍してくれます。お鍋に入れる前に手で切込みを入れたり、半分に折ってから入れるとより香りが引き立ちます。ただ、長時間煮込むと苦みがでるので、煮あがったタイミングで取り除くのがよいでしょう。
2-2辛味をだすスパイス
とうがらし ピリッとした辛味、どんな料理にも合わせやすい
ピリッとしたホットな辛味といえば、なんといってもとうがらしでしょう。とうがらしは意外にもビタミン類が豊富に含まれています。また、煮込み料理や焼き物など調理法を問わないので、どんな料理にも合わせやすいのも特徴のひとつ。粉末のとうがらしであれば、粒子が細かいほど辛く感じますので、購入するときにはお好みでチョイスするのがよいですね。
ブラックペッパー 肉料理、魚料理、スープ など
ブラックペッパーもさわやかな香りで強い辛味を持つスパイスです。形状はホールでも、ミルで挽いて粉末にしてもどちらでも使うことができます。ミルで挽く場合には、食べる直前にかけると香りがよくたち、肉料理にも魚料理にもマッチします。ブラックペッパーは、その名のとおり黒い色ですので、ホワイトシチューなど白い色の料理には避けるほうが美しく仕上がります。
2-3色づくスパイス
ターメリック カレー、ピラフ
ターメリックは鮮やかな黄色に色付けしてくれ、なんと染料にも使われています。日本ではウコンと呼ばれ、カレーに使われるスパイスとして一般的ですね。黄色い色素成分の正体はクルクミンで、これは油分に溶ける油溶性ですので、油で炒めるときれいに色付けをすることができます。
サフラン パエリア、ブイヤベース など
サフランも鮮やかな黄色に色付けしてくれるスパイスです。サフランの花のめしべを乾燥させたもので、スパイスの中でいちばん高価だと言われています。サフランは水溶性ですので、水やお湯に入れて色素を溶かしだします。カレーに合わせるサフランライスや、パエリヤに使うととても華やかな一皿になります。
料理で使うタイミング
3-1下ごしらえ 臭みとり、下味をつける
下ごしらえのタイミングで使うと、肉や魚の臭みをとったり、香りや辛味を素材にしっかりとつけることができます。肉や魚にまんべんなく振りかける場合にはパウダー状のものを、マリネやオイル付けなど付け込む場合にはホールタイプと、使い分けるとさらによいでしょう。
3-2うまみを引き出す スパイスの香り、味を食材と合わせる
料理のはじめや途中で加え、スパイスの香りを移したり、食材の持ち味を存分に引き出すことで、料理をさらにおいしく仕上げていきます。加熱していく過程でだんだんと香りを出していくため、ホールタイプの大きめのものが適しています。
3-3仕上げ 彩り、味のアクセントをつける
料理の仕上げのタイミングや、食卓でもスパイスは活躍します。仕上げに鮮やかな色や香りを加えることでより食欲がますことでしょう。また辛味は好みに個人差がありますので、それぞれの好みに合わせて調整できるものスパイスならではの使い方ですね。
スパイス使いのポイント
4-1料理によって形状(ホール・パウダー)を使い分ける
スパイスを上手に使うには、調理のタイミングのどこで加えるかも重要ですが、スパイスの形状そのものも大切です。目的によってホールタイプか、パウダータイプかを選ぶことがおいしく料理を仕上げるポイントになります。煮込み料理などじっくり味を引き出したい場合はホールタイプが適しています。また、スパイスは挽きたてがいちばん新鮮で香り高いため、パウダーにして使う場合は使う直前に挽くようにしましょう。
スパイスの使い方まとめ
スパイスはたくさんの種類がありますが、香り、辛み、色という3つの基本を押さえること、またホール、パウダーの特徴をつかんで使うことで上手に取り入れることができます。素材の持ち味をぐんと引き出し、肉や魚の臭みはばっちり消してくれる、料理の強い味方です。まずは、いつもの料理の下ごしらえや仕上げに取り入れてみて、一味違う食卓を楽しんでみてはいかがでしょうか。香りや色味が華やいで、きっと楽しい食卓になるはずです。