種類の違いでアルコール度数や蒸留方法も異なってきます。
それでは、焼酎にはどんな種類の分け方があるのでしょうか。そして、どのように分類があるのかをお話しましょう。
- 目次
- 1. 焼酎の種類
- 1-1. さまざまな原料が使われた焼酎がある
- 1-2. 酒税法による分類もある
- 2. 原料でみた焼酎の種類と特徴
- 2-1. 米焼酎
- 2-2. そば焼酎
- 2-3. 芋焼酎
- 2-4. 麦焼酎
- 2-5. 黒糖焼酎
- 2-6. 泡盛
- 3. 単式蒸留焼酎(乙類焼酎)
- 3-1. 別名:本格焼酎、ホワイトリカー2
- 3-2. 日本古来より受け継がれる製造方法
- 3-3. 米や麦などを原料とし、単純構造のアナログな蒸留器を使って一度だけ蒸留
- 3-4. アルコール度45%以下
- 4. 連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)
- 4-1. 別名:ホワイトリカー、ホワイトリカー1
- 4-2. 廃糖蜜や酒粕などを原料
- 4-3. 何度も蒸留をかけた無味無臭の純度の高いアルコール
- 4-4. 何度も蒸留をかけた無味無臭の純度の高いアルコール
- 4-5. アルコール度36%未満
- 5. 甲乙混和焼酎
- 5-1. 単式、連続式焼酎を混合したもの
- 6. どれを選んだらいいの?焼酎の種類と特徴を紹介します!のまとめ
焼酎の種類
焼酎の中にも色々な種類があります。原料の違い、蒸留の違いで酒税法による種類の分類もあります。
それでは、それぞれの種類を区別してみましょう。
1-1さまざまな原料が使われた焼酎がある
焼酎の原料には、穀類などの糖質を原料とするものが色々とあります。
一般的に多い焼酎の原料では大麦がありますが、他にも米・芋・トウモロコシ・そば・黒糖の他に野菜や豆類があります。
しかし、酒税法によって焼酎とは認められない原料もあります。
1-2酒税法による分類もある
酒税法による分類には、材料の他に蒸留の方法によって、本格焼酎と呼ばれる乙類焼酎・甲類焼酎・甲乙混和焼酎があります。
それぞれの蒸留方法が違い、アルコール度数も違ってきます。
単式蒸留焼酎(乙類焼酎)=本格焼酎
単式蒸留焼酎は、古くから行われている蒸留方法で「旧式焼酎」と呼ばれていました。酒税法では、乙類焼酎に分類されています。
単式蒸留焼酎の場合、アルコール度数は45度以下(45%以下)の焼酎になります。蒸留器の構造が、とても単純なものになります。
単式蒸留では、アルコール以外の原料の香りの成分も抽出されるため、焼酎に原料の香りの成分が溶け込みやすくなります。
原料によって違いがあり、特有の香りと風味があります。
原料は米、大麦といった穀類の他に、さつまいも・黒糖・そば・トウモロコシなどが使われています。
本格焼酎とも呼ばれ、氷だけのロックやお湯割りで、焼酎本来の味わいを楽しむことができます
連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)
甲類焼酎は、以前は「新式焼酎」と呼ばれていました。その名の通り、伝統的な「旧式焼酎」に対して「新しい」焼酎という意味になります。
甲類焼酎は連続式蒸留機で蒸留を行なっています。
連続式蒸留機によって、原料を糖化し発酵して生まれるもろみは、数本の蒸留塔に連続的に供給されます。
その後。蒸発→分縮→還流という複数の作用によって、蒸留器の中から高純度のアルコールが抽出されます。こうして抽出され、無色透明でクセがほとんどない、純粋な味わいが特徴の甲類焼酎が造られます。
甲類焼酎はクセがないため、ジュースやコーラで割ったサワー・酎ハイ・カクテル・果実酒・薬用酒と多くの飲み方を楽しむことができます。水やお湯で割って飲むこともできます。
アルコール度数は35%以下に規定されています。
甲乙混和焼酎
「混和焼酎」 とは、連続式蒸留焼酎の甲類焼酎と単式蒸留焼酎の乙類焼酎を混合したものになります。
甲類と乙類のブレンドにより、甲類のクセのない純粋な味と、乙類が持つ独特に香りや風味といった長所を、互いに活かしている焼酎になります。
甲類焼酎と、乙類焼酎のどちらをベースにするかで呼び方が異なります。甲類焼酎が50%以上の焼酎は「甲類乙類混和」、乙類焼酎が50%以上の焼酎は「乙類甲類混和」と、多く含まれる方が名前の先につくことになります。
原料でみた焼酎の種類と特徴
続いて、色々な原料でみた焼酎の種類とその特徴です。
2-1米焼酎
焼酎の原料は、主にタイ米が使用されています。北九州の清酒造りの影響が大きく、米麹と米で造られるようになりました。米焼酎は江戸時代から「球磨焼酎」の名で親しまれています。
伝統的な製法による米焼酎の特徴は、風味が柔らかく丸みのある味わいです。
その中にもしっかりとした厚みもあり、はっきりした構成を持っている焼酎にもなります。
2-2そば焼酎
そば焼酎は1968年に、宮崎県の雲海酒造で初めて造られました。
「そば」は他の穀類よりも発酵力が弱いため、それだけでは仕込みにくいため、麦や米と混ぜていることがよくあります。 混ぜる材料によって、組み合わせパターンが色々とあるため、同じそば焼酎でも、混ぜるもので味わいも多彩なものになります。
そば焼酎は、そば特有のさっぱりとした香りと、軽く丸みのある味わいが特徴です。
また、そば殻のような香ばしさを感じることもできます。
2-3芋焼酎
芋焼酎は、サツマイモの産地の鹿児島県や宮崎県で主に生産されています。
焼酎王国の鹿児島県は、元々米作りには適さない土地だったため、よく栽培されていたサツマイモが、焼酎の原料となりました。
焼酎用として利用する芋は、大きくて皮が白く、デンプン含量の多い品種「黄金千貫」や「ジョイホワイト」を使っています。他にも紅さつまや紫芋が原料になることもあります。
芋焼酎は、さつまいも独特のソフトな甘味が魅力で、蒸し焼きにしたサツマイモの芳香が特徴的です。
2-4麦焼酎
麦焼酎の原料は大麦を使用します。大麦は六条大麦や二条大麦が使用されていますが、 現在ではウイスキーと同じ、二条大麦がほとんど使われています。
麦焼酎には大きく分けて、米麹と麦で造る伝統的な「米・麦製」と、麦のみで造る「純麦製」の2種類があります。
麦焼酎はすっきりとした味わいのものが多く、麦こがしのような軽く香ばしい香りがあります。
爽快感があり、軽い感じで辛口タイプが多くなります。
2-5黒糖焼酎
黒糖焼酎は「和製ラム」とも呼ばれています。
黒糖焼酎の原料はサトウキビになります。サトウキビの茎を搾り、煮詰めてできた黒糖に、米麹を使って発酵させ蒸留して造られています。
鹿児島県の奄美諸島のみで、製造が許されている焼酎になります。原料を同じくするラムにも似た風味で、甘くやさしく豊かな味わいが特徴です。
2-6泡盛
「泡盛」は、沖縄県だけに製造が許されている焼酎のルーツになります。タイ米と黒麹を利用した、米麹のみで仕込まれるのが特徴です。
泡盛を3年以上熟成させたものは、古酒または「クース」と呼ばれて、貴重でより深い味わいを楽しむことができます。
単式蒸留焼酎(乙類焼酎)
穀類や芋類のこうじ及び水を原料として発酵させた、アルコール含有物を単式蒸留機により蒸留したもので、アルコール分が45度以下のものを単式蒸留焼酎(乙類焼酎)といいます。
3-1別名:本格焼酎、ホワイトリカー2
単式蒸留焼酎または乙類焼酎は、他にも本格焼酎、ホワイトリカー2という別名もあります。
3-2日本古来より受け継がれる製造方法
本格焼酎を作るための単式蒸留焼酎は、日本で古くから行われている蒸留で「旧式焼酎」とも呼ばれていました。
もろみ取焼酎
醪(もろみ)を蒸留して造る焼酎のことが、もろみ取り焼酎と呼ばれます。現在、国産焼酎の大半はもろみ取り焼酎になります。
初めに、米麹か麦麹と水の混合物に、酵母を加えて発酵させて「一次熟成もろみ」と呼ばれるものを造ります。
この中に、蒸した米や麦・そば・さつまいもといった主原料を仕込み、それを発酵させてもろみを造ります。
この時に、原料とする穀類の糖化と、発酵が同時に進んでいきます。
その後、酒の性質に合わせて必要な期間熟成させることで、二次熟成もろみが作られ、もろみ取り焼酎の完成になります。
粕取焼酎
粕取焼酎は、散水し再発酵させた酒粕を蒸留して造る焼酎のことになります。
粕取焼酎には、2種類の方法があります。1つは、日本酒の清酒を絞った後の酒粕を「セイロ式蒸留機」でそのまま蒸留する方法です。
そして、もう1つは、蒸気の通りをよくするために「もみがら」を混ぜてから蒸留する方法で作られます。
3-3米や麦などを原料とし、単純構造のアナログな蒸留器を使って一度だけ蒸留
単式蒸留焼酎とは、米や麦・いも類などを原料とし、これらのこうじ及び水を原料として、発酵させたアルコール含有物を、単純構造のアナログな蒸留器を使って蒸留した蒸留酒のことです。
3-4アルコール度45%以下
単式蒸留焼酎は、アルコール分が45度、45%以下のもので、乙類焼酎とも言います。
穀類・いも類または、これらのこうじや水を原料として発酵させた、アルコール含有物を連続式蒸留機以外の蒸留機により蒸留酒類になります。
本格焼酎に認められた原料は法律により限定されている
本格焼酎に認められた原料は、「酒税法第3条第10号」によって限定されたものだけになります。
連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)
「連続式蒸留」は、アルコールの液体を加熱し、アルコールを気体で蒸留し、それを冷却して液体に戻すという作業を、数回に分けて連続して行います。
作業を繰り返すことで、熱を加える前の液体よりも、純度の高いアルコールが抽出されます。
一度目の蒸留酒を、さらにもう一度蒸留すると、さらに純度の高いアルコールが抽出されます。
複数回に渡って蒸留することで、より純度の高いアルコールを抽出する蒸留のことができます。これを「連続式蒸留」 といいます。
アルコール度数を96度へと高めた後に水を加え、35%以下(35度以下)、一般的には25度で市販される焼酎です。
4-1別名:ホワイトリカー、ホワイトリカー1
連続式蒸留焼酎は、無味無臭で原材料の風味はほとんどありません。別名ホワイトリカー、またはホワイトリカー1と呼ばれています。
4-2廃糖蜜や酒粕などを原料
連続式蒸留焼酎の原料は、廃糖蜜や酒粕などが利用されています。
4-3何度も蒸留をかけた無味無臭の純度の高いアルコール
連続式蒸留焼酎は、何度も蒸留をかけた無味無臭の純度の高いアルコールのため、クセがないのでウーロン茶、緑茶、 ジュース類で割って飲むことができます。
4-4何度も蒸留をかけた無味無臭の純度の高いアルコール
連続式蒸留焼酎は、何度も蒸留をかけた無味無臭の純度の高いアルコールになります。無味無臭のため、色々なドリンクと合わせて利用されることも多く、酎ハイやサワー、カクテルなどで飲まれています。
4-5アルコール度36%未満
何度も蒸留する時に、加水し、35%以下(36度未満)にした焼酎になります。
甲乙混和焼酎
甲乙混和焼酎は、単式蒸留焼酎(乙類焼酎)と連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)を混ぜ合わせた焼酎になります。
5-1単式、連続式焼酎を混合したもの
甲乙混和焼酎は、単式蒸留焼酎(乙類焼酎)と連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)を混合した焼酎ですが、混合する割合で、甲類が50%以上の焼酎は「甲類乙類混和」、乙類が50%以上の焼酎は「乙類甲類混和」と呼ばれます。
どれを選んだらいいの?焼酎の種類と特徴を紹介します!のまとめ
焼酎の種類と特徴でした。日本酒はお米が原料ですが、焼酎は原料によっても種類が違います。
また、ビールやウィスキーと同じ大麦も使われていますが、蒸留方法によって、さらに種類が違ってきます。
自分好みの焼酎を見つけて、自分だけのオリジナルサワーやカクテルで、楽しんでみましょう。