子どもの食べ物の食べ方や乳歯の生え揃い方で幼児食も離乳食のように固さや大きさを変えていきます。子どもの様子をよく観察して幼児食をスタートすると子どもも食べやすい事から食事の時間を楽しむようになになります。ぜひ、参考にして幼児食の始め時を考えてみて下さいね。
- 目次
- 1. 幼児⾷を始める⽬安
- 1-1. 月齢では1歳後半〜3歳前後(⾷材を噛み切る奥⻭が⽣えてきた時期)
- 1-2. 1⽇3回の⾷事リズムに慣れている
- 1-3. 乳⻭が10本⽣えてきている
- 1-4. ⽔分をコップから飲める
- 1-5. きちんと噛めている
- 1-6. 自分で食べたがる
- 2. 幼児⾷と乳⻭の関係
- 2-1. 幼児⾷が⻭の発達に与える影響
- 2-2. 奥⻭が生え揃うまでは形がある柔らかい⾷物(ハンバーグなど)
- 2-3. 奥⻭が⽣え揃ったらそれほど硬くない⾷物(卵焼きなど)
- 2-4. 噛みにくい⾷物(とんかつ、ステーキなど)は3歳過ぎまで控えた⽅がよい
- 3. 幼児⾷で注意しながら与えた⽅がよいもの
- 3-1. ⽣もの(⽣の刺し⾝、⽣卵など)
- 3-2. 誤嚥の危険があるもの(ナッツ類、餅など)
- 3-3. アレルギーの危険性があるもの(そばなど)
- 4. 幼児食を始める目安や乳歯との関係まとめ
幼児⾷を始める⽬安
1-1月齢では1歳後半〜3歳前後(⾷材を噛み切る奥⻭が⽣えてきた時期)
離乳食も完了期になり、大人と同じ固さのご飯が食べられるようになってきたら幼児食の始め時の目安です。食材を嚙み切る奥歯が生えているかどうかも大切なポイントです。まだ奥歯が生えておらず前歯や舌で押し潰すような食べ方では、幼児食は早いかもしれません。
焦って固いまま与えてしまうとその食材が苦手になってしまうこともありますので食べ物を少しずつ固くしていき、歯茎で噛む練習をさせましょう。噛む練習をすることで奥歯が生えてきたらすんなりと幼児食に移行出来ます。
1-21⽇3回の⾷事リズムに慣れている
朝食、昼食、夕食と1日3回の食事のリズムがしっかりと整っていれば、幼児食に移行しても良いでしょう。食事をしっかり1日3回摂るという食欲や体力がついてきた証拠です。
1-3乳⻭が10本⽣えてきている
乳歯は、上の歯が10本、下の歯が10本の合計20本で全て生え揃います。乳歯が上の歯と下の歯を合わせて10本生えてきていれば咀嚼も上手に出来ます。
奥歯は、2歳から3歳頃にかけて生えてきますのでまだ食材を嚙み切る力はありませんが、乳歯が10本生えてきていれば、初期の幼児食を始めても良い頃です。
1-4⽔分をコップから飲める
コップを使って水分を取れるという事は、唇の筋肉が発達してきた証拠です。唇の筋肉が発達してくれば、食べ物を食べるときも口を上下に動かして上手に咀嚼する事が出来ます。コップが使えるとしっかりと口を閉じて歯で食材を噛む事が出来ます。
1-5きちんと噛めている
食べ物を食べる時に歯で食材をきちんと食べられているかどうかも大切なポイントです。離乳食の時は、舌で押しつぶすように食べたり、歯茎ですり潰すように食べていたりしますが、生えてきた歯でしっかりと食材を噛めていれば幼児食を始めましょう。
1-6自分で食べたがる
自分でスプーンやフォークで食べたがるなどの様子が見られたら食に興味が湧いてきた証です。幼児食を与える目的は、食べる事は楽しいと思わせる事ですので自分で食べたがっていたらやらせてあげましょう。
幼児食は、手づかみ食べから自分でスプーンやフォークを練習する期間でもありますので散らかることもありますが大らかな気持ちで見守ってあげましょう。
幼児⾷と乳⻭の関係
2-1幼児⾷が⻭の発達に与える影響
幼児食が始まる頃には、歯を使って物を噛み砕く力(咀嚼)が発達する時期です。この時期に子どもに適当な固さや大きさの食べ物を与える事で丈夫な歯に育ちます。柔らかい食べ物ばかりだと咀嚼する力が十分に発達しません。よく噛んで食べると顎が鍛えられ歯並びがよくなります。
顎は、全身のバランスを良くするのにとても大切な部分です。そして、よく噛む事で唾液が多く分泌されます。唾液は、酵素が含まれているので口の中を清潔に保つ働きや食べ物の消化吸収を助ける働きがあります。乳児の頃は、唾液の酵素の力で口内を虫歯や菌から守ります。
2-2奥⻭が生え揃うまでは形がある柔らかい⾷物(ハンバーグなど)
奥歯が生えるまでは、前歯や歯茎で潰しながら食べ物を食べます。嚙み切る事や噛み砕く事が出来ないので歯茎でも潰せるような柔らかさにします。ハンバーグやかぼちゃの煮物などが良いでしょう。
あまり柔らかすぎると咀嚼の練習になりませんので離乳食のような調理法にならないように注意してください。舌でつぶせるような固さは避け、バナナ位の固さを目安に調理しましょう。
2-3奥⻭が⽣え揃ったらそれほど硬くない⾷物(卵焼きなど)
奥歯が生え揃うと食べ物を噛む事が出来るので卵焼きや煮物などをレパートリーに入れて下さい。いきなり固い食べ物を与えると食べにくさから次の食事を警戒してしまうといった事もありますので徐々に調理法を変えていきましょう。葉物や繊維の多い食べ物は、噛みにくいのでよく煮るなどの工夫をして調理して下さい。
2-4噛みにくい⾷物(とんかつ、ステーキなど)は3歳過ぎまで控えた⽅がよい
大人でもよく咀嚼する力が必要とされる噛みにくい食べ物は、3歳を過ぎるまでは控えてください。長い時間咀嚼しなければいけない事や飲み込みにくさもあるのでとんかつやステーキ、グリル料理などは、焦って与える必要はありません。
幼児⾷で注意しながら与えた⽅がよいもの
3-1⽣もの(⽣の刺し⾝、⽣卵など)
生の魚には雑菌がついていることや寄生虫がいることもあるので十分注意してください。消化器官が未発達な幼児には、食中毒の原因になる事があります。
卵は、子供のアレルギー発症率第1位の食品です。加熱した卵でアレルギーが出なくても生卵でアレルギーを発症するという例は少なくありません。生卵は、少量ずつ様子を見ながら与えて下さい。病院が空いている時間帯に与えるという事も大切です。
生ものを与える時の注意点は、3歳を過ぎてから必ず新鮮な物を選ぶようにしましょう。
3-2誤嚥の危険があるもの(ナッツ類、餅など)
子どもは、十分に食べ物を飲み込む能力がないためナッツ類や餅などは窒息事故の原因になります。細かく砕いたナッツ類でも小さなかけらが気管支に入り込み炎症を起こして肺炎を発症してしまいます。
乳幼児の気管支に入った異物を取り除く事はとても難しく、肺の一部を除去する事態になる事もあります。餅は必ず適当な大きさに切って与え、しっかりと飲み込むまで様子を見ましょう。誤飲の可能性があるものは、必ず3歳を過ぎてから大人が見守る中で与えます。
3-3アレルギーの危険性があるもの(そばなど)
アレルギーの危険性があるものや初めて与える食べ物は、ひと口から始めます。ひと口与えて様子を見て何も変化がなければ少量ずつ与えましょう。
もし、アレルギーの症状がでてもすぐに受診出来るようにかかりつけの病院が空いている時間帯を選びます。アレルギーの症状は、痒み・くしゃみ・呼吸困難・腹痛・下痢などです。食べてすぐに発症する子もいれば、数時間後に発症する子もいます。
幼児食を始める目安や乳歯との関係まとめ
幼児食を始める時期は、1歳後半から3歳頃です。幼児食を始める目安は、1日3回の食事リズムが整っている、乳歯が10本生えている、コップで水分が取れる、きちんと噛めているなどです。
幼児食の時期に適当な固さの食べ物を与えると咀嚼機能や顎が発達し歯並びが良くなるなど乳歯に良い影響を与えます。よく噛む事で唾液がたくさん分泌され、口内を清潔に保ち食べ物の消化吸収を助けます。
乳歯が生え揃うまでは、その時期に合った固さの調理法で食べ物を与えて下さい。生ものや誤飲の可能性がある食べ物は、3歳を過ぎてから十分に注意して大人が見守りながら与えましょう。
アレルギーの可能性がある食べ物は、病院を受診出来る時間帯に少量ずつ与えます。アレルギーの症状が出るまで数時間かかる事もあるので子どもの様子をよく注意してみてください。