食育とは、食に関する知識や技術を学び、健康的な食生活を送るための教育です。
子どもたちが正しい食習慣を身につけることで、将来の健康を促進し、食に対する理解を深めることが目的です。
家庭や学校、地域社会での取り組みを通じて、食の大切さを伝え、自己管理能力を高めることが期待されています。
食育を通じて、バランスの取れた食事や食文化の理解も育まれ、豊かな人生を支える基盤となるでしょう。
そこで今回は、食育の役割や取り組み・メリットについて詳しく解説していきます。
ぜひ、最後まで見て参考にしてみてくださいね。
- 目次
- 1. 食育とは何か?基本概要の解説
- 1-1. 食育の定義とその目的
- 1-2. 食育基本法の概要と重要性
- 1-3. 食育の必要性とは何か
- 2. 食育の重要性とメリット
- 2-1. 子どもたちの健康を支える食育の役割
- 2-2. 家庭での食育実践の重要性
- 2-3. 食育による生活習慣の向上
- 3. 子ども向け食育プログラムの取り組み
- 3-1. 保育園での食育活動の事例
- 3-2. 学校での食育の実践方法
- 3-3. 未就学児や小学生に向けた食育プラン
- 4. 食育の伝え方:効果的なアプローチ
- 4-1. 子どもに食育をわかりやすく伝える方法
- 4-2. 大人が知るべき食育の知識
- 4-3. 食育におけるマナーの重要性
- 5. 食育の実践における具体的活動
- 5-1. 家庭で取り入れられる食育活動
- 5-2. 地域での食育推進イベント
- 5-3. 学校の給食と食育のつながり
- 6. 食育とは
- 7. 食育の背景
- 7-1. 「食育基本法」の施行
- 7-2. 「食育基本法」の目的
- 7-3. 「食育基本法」の中での食育とは
- 8. なぜ食育が必要なのか
- 8-1. 食を大切にする心の欠如
- 8-2. 栄養バランスの偏った食事や不規則な食事の増加
- 8-3. 肥満や生活習慣病の増加
- 8-4. 食の安全上の問題
- 8-5. 伝統ある食文化の喪失
- 9. 食育で育てたい「食べる力」とは
- 9-1. 心と身体の健康を維持できる
- 9-2. 食事の重要性や楽しさを理解する
- 9-3. 食べ物の選択や食事作りができる
- 9-4. 一緒に食べる人がいる
- 9-5. 日本の食文化を理解し伝えることができる
- 9-6. 食べ物や作る人への感謝の心をもつ
- 10. 食育月間と食育の日
- 10-1. 毎年6月は食育月間
- 10-2. 毎月19日は食育の日
- 11. 食育についての基本的な知識まとめ
- 12. まとめ
食育とは何か?基本概要の解説
食育とは何か?基本概要の解説は以下の通りです。
・食育基本法の概要と重要性
・食育の必要性とは何か
こちらを順にご紹介します。
1-1食育の定義とその目的
食育とは、食に関する知識や技術を学び、健康的な食生活を実現するための教育活動です。
この概念は、単に食べ物の選び方だけでなく、食の大切さや食文化を理解することも含まれています。
食育の目的は、特に子どもたちがバランスの取れた食事を選び、食に対して主体的な姿勢を持つことを促すことです。
具体的には、栄養素の理解、調理技術の習得、食材の選び方、さらには食事のマナーや地元の食文化への理解を深めることが求められます。
食育を通じて、健康的な生活習慣を育成し、将来的な生活習慣病の予防にも寄与することが期待されています。
食育は、個人の健康だけでなく、地域社会や環境にも良い影響を与える重要な取り組みです。
1-2食育基本法の概要と重要性
食育基本法は、食育の重要性を国全体で認識し推進するための指針を示しています。
国民が健康で豊かな食生活を送ることを支援し、食文化や農業の振興を図ることです。
具体的には、食育の必要性を教育現場や地域社会に広め、家庭での食に関する意識を高めることが求められるでしょう。
この法の重要性は、食に関する情報があふれる現代において、正しい知識を持つことがいかに大切かを示している点にあります。
食育基本法は、栄養バランスや食の選び方、調理技術などを教育することで、生活習慣病の予防や持続可能な社会づくりに寄与します。
これにより、個人だけでなく、社会全体の健康と幸福を促進する役割を果たしているでしょう。
1-3食育の必要性とは何か
食育の必要性は、現代社会における健康問題や食環境の変化に基づいています。
多くの人々が忙しい生活を送る中で、ファストフードや加工食品の消費が増え、栄養バランスの取れた食事が難しくなっています。
このような背景から、食育が求められるでしょう。
食育は、子どもたちに正しい食の知識を与え、選択肢を理解させることが重要です。
食の楽しみや文化を学ぶことで、食事に対する意識が高まり、偏食や過食を防ぐ効果があります。
また、食育は生活習慣病の予防にも寄与し、健康寿命を延ばす助けとなります。
さらに、食育は地域社会の活性化にもつながるでしょう。
地元の農産物や食文化を理解し、尊重することで、持続可能な食の選択が促進されます。
このように、食育は個人と社会の両方にとって欠かせない要素であり、未来の健康を支える基盤となるのです。
食育の重要性とメリット
食育の重要性とメリットは以下の通りです。
・家庭での食育実践の重要性
・食育による生活習慣の向上
こちらを順にご紹介します。
2-1子どもたちの健康を支える食育の役割
食育は、子どもたちの健康を支えるために非常に重要な役割を果たします。
正しい食の知識や習慣を身につけることで、子どもたちは栄養バランスの取れた食事を選ぶ能力を養います。
これにより、成長期に必要な栄養素をしっかりと摂取でき、健康的な体を育むことができるでしょう。
また、食育は生活習慣病の予防にも寄与します。
若いうちから健康的な食習慣を身につけることで、将来的な肥満や糖尿病、高血圧などのリスクを低減させることができるでしょう。
さらに、食育を通じて、食文化や地域の特産物に対する理解が深まり、食への興味や感謝の気持ちも育まれます。
加えて、家庭や学校での食育の取り組みは、親子のコミュニケーションや友達との絆を深める機会にもなります。
子どもたちが自ら食を選び、調理する体験を通じて、自己管理力や責任感も育まれるのです。
このように、食育は子どもたちの健康だけでなく、心の成長にも大きく寄与します。
2-2家庭での食育実践の重要性
家庭での食育実践は、子どもたちの健康と成長において非常に重要です。
家庭は最初の学びの場であり、日常的な食事を通じて食に関する基本的な知識や習慣が身につきます。
親が健康的な食事を提供し、一緒に料理をすることで、栄養バランスや食材の選び方を学ぶ機会が増えるでしょう。
また、家庭での食育は、食文化や地域の特産物への理解を深める場でもあります。
地元の食材を使った料理を通じて、子どもたちは食への感謝や関心を育むことができるでしょう。
さらに、食事を共にすることで家族の絆が強まり、コミュニケーションの場にもなります。
食育を家庭で実践することは、子どもたちに自己管理能力や責任感を教える良い機会でもあります。
自分で食を選び、調理することで、健康に対する意識を高め、将来的に自立した食生活を送る力を育てることが可能です。
このように、家庭での食育は、子どもたちの心身の成長に欠かせない要素となります。
2-3食育による生活習慣の向上
食育は、生活習慣の向上に大きく寄与します。
まず、正しい食の知識を身につけることで、バランスの取れた食事を意識するようになり、これにより栄養素をしっかり摂取し、健康的な体を維持することが可能です。
特に、子どもたちが成長期に必要な栄養を正しく理解することで、体の発育をサポートします。
また、食育を通じて、食の選び方や調理方法を学ぶことで、外食や加工食品に頼りすぎることを防ぎます。
家庭での料理や食事を通じて、自然と健康的な食習慣が身につき、生活習慣病の予防にもつながるでしょう。
さらに、食育は心の健康にも影響を与えます。
食事を楽しむことや、食文化を学ぶことで、ストレスの軽減や心の安定に寄与します。
家族や友人と共に食事をすることで、コミュニケーションが深まり、精神的な満足感も得られるでしょう。
このように、食育は身体的、精神的な健康を支える重要な要素となり、生活習慣全般の向上に貢献します。
子ども向け食育プログラムの取り組み
子ども向け食育プログラムの取り組みは以下の通りです。
・学校での食育の実践方法
・未就学児や小学生に向けた食育プラン
こちらを順にご紹介します。
3-1保育園での食育活動の事例
保育園での食育活動は、子どもたちに食の大切さを楽しく学ばせる素晴らしい取り組みです。
例えば、園での「野菜づくり体験」では、子どもたちが自分たちで野菜を育て、収穫する過程を通じて、食材の成長や栄養について学び、この活動は自然への理解を深めると同時に、食への興味を引き出します。
また、料理教室では、簡単なレシピを使ってクッキングを行い、食材の選び方や調理の楽しさを体験します。
子どもたちは、自分たちで作った料理を食べることで、食への感謝の気持ちや、仲間との協力の大切さを学ぶことができるでしょう。
さらに、食育に関する絵本の読み聞かせや、食文化をテーマにしたイベントも行われ、楽しみながら知識を深める機会が提供されます。
これらの取り組みにより、子どもたちは健康的な食習慣を身につけ、将来的に自らの食を選ぶ力を育てることができるでしょう。
保育園での食育活動は、心と体の成長を促す重要な要素となっています。
3-2学校での食育の実践方法
学校での食育は、子どもたちに健康的な食習慣を身につけさせるための重要な取り組みです。
実践方法の一例として、給食の時間に栄養教育を組み合わせることが挙げられます。
栄養士が毎日のメニューを解説し、食材の栄養価や効果について教えることで、子どもたちが自分の食事に興味を持つようになります。
また、「料理教室」を開催することで、実際に調理を体験させることも効果的です。
子どもたちは簡単なレシピを使って一緒に料理を作り、食材の選び方や調理の楽しさを学びます。
さらに、「畑の見学」や「地元の農家との交流」を通じて、食がどのように生産されるかを理解し、地域の食文化に対する関心を高めることができるでしょう。
加えて、食育に関するワークショップやイベントを企画し、親参加型の活動を通じて、家庭でも食育を実践できるようにし、これにより子どもたちの食に対する意識が高まり、健康的な生活習慣が育まれます。
学校での食育は、未来の健康を支える大切な基盤となっています。
3-3未就学児や小学生に向けた食育プラン
未就学児や小学生に向けた食育プランは、楽しみながら食の大切さを学べる内容が重要です。
まず、「野菜探検隊」を企画し、子どもたちが地元の農場を訪れて野菜の収穫や観察を行い、これにより食材の生産過程を理解し、自然への興味を育てます。
次に、「クッキングクラス」を実施し、簡単な料理を作る体験を提供します。
子どもたちは、自分たちで選んだ食材を使って料理し、食事の楽しさを実感し、調理の後は自分たちが作った料理をみんなで食べることで、達成感や感謝の気持ちが芽生えるでしょう。
さらに、「食に関する絵本の読み聞かせ」を通じて、食文化や栄養について学ぶ時間を設け、これにより物語を通じて食に対する興味を引き出します。
最後に、家庭での食育も意識し、親子で参加できるイベントを開催します。
これにより、家庭でも食について話し合う機会が増え、子どもたちの食に対する理解が深まるでしょう。
このように、多角的なアプローチで食育を促進します。
食育の伝え方:効果的なアプローチ
食育の伝え方:効果的なアプローチは以下の通りです。
・大人が知るべき食育の知識
・食育におけるマナーの重要性
こちらを順にご紹介します。
4-1子どもに食育をわかりやすく伝える方法
食育を子どもに効果的に伝えるためには、楽しさと体験を重視することが大切です。
まず、食材の育て方や生産地を見学することで、食への興味を引き出します。
次に、料理を一緒にすることで、食材の特徴や栄養について学ぶチャンスを提供します。
例えば、簡単なサラダ作りやおにぎりを一緒に作ることで、食の楽しさを体感できるでしょう。
また、絵本やアニメを活用して、食の大切さやバランスの良い食事について楽しく学べる環境を整えましょう。
さらに、家族での食事を大切にし、会話を通じて食文化を共有することも重要です。
こうしたアプローチを通じて、子どもたちは自然と食の大切さを理解し、健康的な食習慣を身につけることができます。
4-2大人が知るべき食育の知識
食育は、子どもだけでなく大人にも重要な知識です。
バランスの良い食事には、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルが必要です。
これを意識して献立を考えることで、家族全体の健康を支えられます。
次に、食材の選び方や保存方法を学び、無駄を減らす工夫が必要です。
旬の食材を取り入れることで、栄養価が高く、環境にも優しい食生活が実現します。
また、加工食品や外食の利用を見直し、手作りの料理を増やすことで、食事の質が向上します。
さらに、家族での食事を大切にし、会話を楽しむことで、食に対する意識や感謝の気持ちが育まれるでしょう。
大人が食育を理解し実践することで、子どもたちにも良い影響を与えることができるのです。
4-3食育におけるマナーの重要性
食育におけるマナーは、食事を通じて人間関係や社会性を育むために重要です。
まず、食事のマナーを学ぶことで、他人への配慮や尊重の気持ちが育ちます。
例えば、食事中の会話や感謝の言葉を大切にすることで、家族や友人との絆が深まります。
また、食事の際の姿勢や箸の使い方など、基本的なマナーを身につけることは、自己管理能力や集中力を高めることにもつながるでしょう。
特に、公共の場での食事マナーを学ぶことは、社会生活において必要なスキルです。
さらに、マナーを実践することで、食べ物への感謝の気持ちや、食の大切さを自然に理解することができ、これにより子どもたちは食事を楽しむだけでなく、他者との関係を大切にする心を育むことができるのです。
食育においてマナーを教えることは、豊かな人間性を育む基盤となります。
食育の実践における具体的活動
食育の実践における具体的活動は以下の通りです。
・地域での食育推進イベント
・学校の給食と食育のつながり
こちらを順にご紹介します。
5-1家庭で取り入れられる食育活動
家庭で取り入れられる食育活動には、いくつかの具体的な方法があります。
まず、親子での料理体験が効果的です。
簡単なレシピを選び、一緒に調理することで、食材の特徴や栄養について学べます。
料理を通じて、食の楽しさや達成感を感じることができるでしょう。
次に、家庭菜園を作ることもおすすめです。
野菜やハーブを育てることで、成長過程を観察し、食材がどのように生まれるかを学ぶことができ、この体験は食への興味を深めるきっかけになります。
また、食事の際に「いただきます」や「ごちそうさま」といった言葉を大切にし、食材への感謝の気持ちを育てることも重要です。
さらに、旬の食材を使ったメニューを考えることで、季節感を楽しみながら食育を実践できます。
これらの活動を通じて、子どもたちは食の大切さや健康的な食習慣を身につけることができます。
5-2地域での食育推進イベント
地域での食育推進イベントは、コミュニティ全体で食の大切さを学ぶ良い機会です。
例えば、地元の農家と協力した「収穫祭」を開催することで、子どもたちが野菜や果物の収穫を体験でき、この活動を通じて食材の生産過程や旬の大切さを理解することができます。
また、「料理教室」や「食育セミナー」を企画することも効果的です。
栄養士や料理研究家を招き、簡単で健康的なレシピを学ぶことで、家庭での食事作りに役立ちます。
参加者が自分の食生活を見直すきっかけにもなります。
さらに、「地域の食文化を知る会」を開催し、地元の特産品や伝統料理を紹介することも重要です。
地域の食材を使った料理の試食を通じて、地産地消の意義を実感できます。
これらのイベントを通じて、地域全体で食の知識を深め、健康的な食習慣を促進することが可能です。
5-3学校の給食と食育のつながり
学校の給食は、食育の重要な要素として機能しています。
給食を通じて、子どもたちはバランスの取れた食事や栄養素について学ぶことができます。
例えば、毎日のメニューには、主食、主菜、副菜が組み合わされており、食事の重要性や食べ合わせの知識を自然に身につけられるでしょう。
また、給食の時間は、食事マナーや食べることへの感謝の気持ちを育む場でもあります。
友達と一緒に食べることで、コミュニケーション能力や社会性も養われます。
さらに、地元の食材を使ったメニューを提供することで、地産地消の意識を高め、地域の農業や食文化への理解も深まるでしょう。
給食の栄養士や調理スタッフが食材の選び方や調理法について説明することで、食に関する知識を直接学ぶことができます。
このように、学校の給食は、健康的な食習慣を育てるための重要な教育の場となっています。
食育とは
様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を正しく選択する知識を身につけて健全な食生活を実践できる力を育むことです。いわば食事を通して人間として生きる力を育んでいくことを食育と言います。
1日三食、ただ食事をすれば良いわけではなく、健康のためにも栄養バランスや量などをきちんと考えて摂取しなければなりませんよね。毎日当たり前に行っている食事を見直すこと、食について知ること、正しく食べることなどこれが健康な身体と豊かな人間性を得るための食育の第一歩になるのです。
食育の背景
2-1「食育基本法」の施行
食育に関する理念や施策の基本的な方針などを定めている法律であり、2005年6月10日に成立し7月15日に施行されました。食育は教育機関のみではなく、家庭や地域、そして消費者と生産者の交流などを通して食への理解を深められるよう積極的に推めています。
2-2「食育基本法」の目的
現在日本は飽食の時代であり、「食」を大切にする意識が欠如しています。暴飲暴食や栄養バランスが悪い食事、不規則な食事、生活習慣病の増加、過度の痩身や摂食障害、安全性への欠如など「食」に対する様々な問題があります。
このような問題を個人的な問題ではなく日本社会全体の問題と捉え、「食」に対する考え方を見直していくために制定されました。国民1人1人のみではなく、地方公共団体に対しても食育の推進に関する取り組みを総合的かつ計画的に推進しています。
2-3「食育基本法」の中での食育とは
1)生きるうえでの基本、知育徳育体育の基礎
規則正しい生活をして食事の大切さを改めて考え直します。また、食べる際の挨拶やマナーなども改めて見つめ直すことが大切です。
2)食への知識と食を選択する知識を習得、健全な食生活を実践できる人間を育てる
好き嫌いで食事を選ぶのではなく、栄養バランスを考えて食事を摂るようにします。また、食べ物の栄養価をより吸収できるように食材の良い組み合わせを知り考えます。
なぜ食育が必要なのか
3-1食を大切にする心の欠如
当たり前に繰り返されている毎日の食事なので継続していると徐々にないがしろになっていきます。お腹が満たされれば良いわけではなく、美味しい食事を味わいながら、よく噛んでゆっくりと食べましょう。
3-2栄養バランスの偏った食事や不規則な食事の増加
朝食を抜く日本人が増えていますが、朝食は、1日のエネルギー源です。昔からよく言われている「一汁三菜」を心がけ、きちんと主食・主菜・副食をバランス良く食べてから出かけましょう。
また、仕事や学校などが忙しくて夜食や間食を食べ過ぎる、「〜しながら食べ」することも禁物です。規則正しい時間にきちんと食卓に座り、食器を持ち、箸を使い、心を落ち着かせて食べましょう
テレビを観ながら、作業しながら食べると食事の満足感を得ることができず、だらだらと食べ過ぎてしまいます。そして忙しいかもしれませんが、食べ物をコンビニ弁当や市販、冷凍のものに頼りすぎるのはやめましょう。
栄養がかなり偏ってしまいますし、添加物や保存料、着色料など身体に害のある成分も多く含まれているので、忙しくても週に1~2回は栄養バランスを考えた自炊を行うことをおすすめします。
手間かもしれませんが、休日に作り置きをいくつか作っておくことで忙しい日も食事の支度が面倒にならずに済むのでおすすめです。また、全部自炊にするのが大変な際は、一品だけでも自炊するなど少しずつ自炊の習慣が定着していくと良いですね。
3-3肥満や生活習慣病の増加
健康に害がある飲酒や喫煙は、ほどほどにしておきましょう。また、味が濃いものは控えてください。塩分や脂質過多なものは、肥満や生活習慣病の原因になります。塩分は男性1日8g未満、女性1日7g未満なので意識して塩分を減らすように心がけてください。
栄養バランスは低カロリーなものだけが良いのではなく、炭水化物やたんぱく質、適度な脂質などバランス良く食べることが効果的です。野菜や果物などからビタミンやミネラル、乳製品や豆類などからカルシウムなどが得られるので様々な栄養素をきちんとバランス良く摂取していきましょう。
3-4食の安全上の問題
最近のニュースで度々、食の安全性を脅かす事件がよく起きています。添加物・着色料・保存料が多量に使われている、輸入品から検出される人間の身体に毒性がある薬、食品偽装、賞味期限切れ、鳥インフルエンザなど食品への信頼が失われるような問題が多く起きています。
もちろん私たちは、食品を購入する際に細かく調べることや疑うことはないと思います。根拠もなく信頼して購入しているのです。安全性がない食品を摂取していると身体に良くないですし、最悪の場合は死を招くこともあります。
特に抵抗力の弱い子どもや老人にとっては、さらに危険性が高くなります。すでに危険な食品を摂取してからでは遅いので日頃から食品に関するニュースを意識して新しい知識を常に得ておきましょう。
3-5伝統ある食文化の喪失
日本人が昔から食べているお米や和食など日本特有の伝統食文化を大切にしましょう。最近は、パスタやパン、うどんなど小麦が原料となった食品を主食にする人が増えてきています。日本は、輸入に頼っている食品が多いので小麦製品や外国産のものを食べることは決して悪いことではないですし仕方ないことなのです。
しかし、日本が昔から大切にしている伝統や日本特有の生産などは、いつまでも忘れずに大切にしていきたいものですね。そして、私たちが次の世代にも日本の伝統食文化をきちんと伝えていく必要があります。
食育で育てたい「食べる力」とは
4-1心と身体の健康を維持できる
先ほども紹介したように食生活の乱れや不規則な食事、偏った食事などで日本人の心と身体の健康は崩れています。特に体内時計の生活リズムが乱れてしまうのです。生活リズムが乱れると疲れやすくなり、疲れがとれにくくなります。そして、精神的にも疲労が生じて精神疾患にかかりやすくなる場合もあります。
また、最近は、痩せ過ぎており摂食障害など心身ともに悩んでいる方も多いのが事実です。病気になると「食べること」が苦痛になると思いますが、「食べる力」を再習得し心身の健康を手に入れる必要があります。
4-2食事の重要性や楽しさを理解する
子どもの場合、家庭で食事について話をして聞かせることや食生活を見直すことだけで理解を深めることは難しいものです。そこで、学校や地域でも食事や食生活の知識の理解を深めることで子どももさらに興味関心を持つことができるかもしれません。
食事の重要性のみではなく、楽しさを理解することができればより良い食事や食生活を身につけることができるのではないでしょうか。大人から子どもに食育を広めるだけでなく、子どもが学校や地域で得た食育の知識を大人に広めることで浸透しやすく、周りの意識も変わっていく可能性が高くなります。
4-3食べ物の選択や食事作りができる
家族や友だちと一緒に食事を作るだけでも楽しいですし、さらに美味しく感じます。「なにを作ろうか」と一緒に考えることや「美味しかったね」と話すだけでも食事の時間が楽しくなります
また、栄養バランスのみならず季節の食材を選択し取り入れることも食べる大切さに繋がります。季節の食材は、季節を感じることができ美味しいですし栄養価も高いです。日本にある素晴らしい四季を感じながら食材を選び食べることも素敵ですね。
4-4一緒に食べる人がいる
仕事や学校、習い事で家族が一緒にいることができる時間はごくわずかになってきます。お子さんが大きくなると部活や塾、付き合いなどがあり家で食事をしないお子さんも増えてきます。また、旦那さんは接待や付き合いで飲んできてから帰ってくることもあるかもしれません。
毎日食事を一緒に食べることは難しいかもしれませんが、できるときには家族団らんで食卓を囲みいろいろなお話ができたら素敵ですね。全員そろうのが難しい場合は、朝の忙しくて短い時間のみでも家族みんなで朝ご飯を食べてみましょう。
朝ならみんな揃いやすいですし、家族と顔を合わせるだけでもとても大切な時間になります。1人でご飯を食べるよりもより美味しく感じますよね。
4-5日本の食文化を理解し伝えることができる
日本の伝統食文化や伝統農作業を受け継いでいくことはもちろんのこと食事のマナーやあいさつ、箸の持ち方、郷土料理などを親世代や祖父母世代から子どもに伝える大切な時間を食事のときに取り入れます。
そこから社会に出ても恥ずかしくないマナーや知識を子どもが身につけていき、食事の大切さや楽しさ、必要性を理解していきます。
4-6食べ物や作る人への感謝の心をもつ
食材を無駄にすることなく大切に食べます。昔は「お米を一粒でも残すと目がつぶれる」と言われていたくらい食べ物をとても大切に感謝して食べていました。今は、少し疎かになっていますね。ニュースでも廃棄の量が多くて驚きます。
必要な分だけ作る・用意することができなくなっているように感じます。食べ物の作る量の調整も大切ですが、賞味期限などにも配慮し食べるようにしましょう。また、自分で作ることで食べ物ができるまでの手間を実感し、さらに大切にする気持ちが芽生えるはずです。
農作物以外にも肉類や魚類など命あるものを頂いているのですからそのことに感謝しながら食べることが大切ですね。そして作り手の気持ちにもなり、無駄や廃棄はなくし感謝しながら食べましょう。
食育月間と食育の日
5-1毎年6月は食育月間
国、地方公共団体、関係団体などが協力して食育推進活動を重点的かつ効果的に実施し、国民が食育に関しての理解を図るために決められました。
例えば、各種広報やイベントなどを通じて国民へ周知と認識を広めていきます。具体的には、「食育推進全国大会」というイベントを毎年様々な開催地で実施しています。6月である理由は、「食育基本法」が成立した月が6月だからなので覚えやすいですね。
5-2毎月19日は食育の日
食育推進運動を継続的に実施し、食育の理解を一層図るために「食育推進基本計画」により定められました。毎月この日には、各地で啓発活動が展開されています。
例えば、新聞に掲載する、バスのステッカーを掲示して目につくようにして食育の定着を図ります。
年に一度の食育月間のみでは忘れやすいですし、国民の意識から薄くなっていきますよね。月に1回食育の日を設けることで私たち国民が食育について忘れることなく、意識して食育の大切さを認識できるのではないでしょうか。
食育についての基本的な知識まとめ
「食育」について理解して興味を持ってもらうことはできたでしょうか。「食育」と聞くと「食に関する教育」と少し堅苦しい響きになってしまいますが、難しいことはなにもありません。
食に対して興味関心を持ち、今までの食事を見直すだけでも食育の第一歩ではないでしょうか。食事は生きていくうえで欠かせないことではありますが、1日3回しかありません。このたった1日3回の食事の習慣が私たちの健康や身体をつくるもとになり、豊かな人間性を形成してくれるもとになるのです。
たった3回ですが、1回1回の食事を大切にしてみてください。食事が変われば見た目が変わります。見た目が変われば内面や意識が変わります。内面や意識が変われば健康への配慮が変わります。健康への配慮が変われば生活が変わります。生活が変われば人生が変わります。より良い人生を送るために食育を通じて食事や食を見直してみてはいかがでしょうか。
まとめ
食育とは、食に関する知識やスキルを学ぶ教育で、健康的な食生活を促進することを目的としています。
その役割は、子どもたちに正しい食習慣を身につけさせ、食への理解を深めることです。
家庭や学校、地域での取り組みがあり、具体的には、農業体験や料理教室、栄養教育などが行われています。
さらに、子どもたちが自ら食を選び、管理する力を育むことで、豊かな人生の基盤が形成されます。
食育は、未来の健康を支える重要な要素です。