2005年に「食育基本法」が施行されて以来、従来の枠にとらわれない「食に関する教育」の話題も取り上げられるようになり、専門的な知識を身につけたいと考える人も現れてきています。
今回は食育健康アドバイザーの仕事内容やその知識を求められる仕事、知識を身に着けやすい資格などをご案内します。
- 目次
- 1. そもそも「食育」とは?
- 2. 食育の知識が求められる背景
- 3. 食育健康アドバイザーになるには?
- 4. 食育健康アドバイザーの仕事内容と活躍分野
- 4-1. 食育を実践するメリット
- 4-2. 文化継承の役割も担う
- 4-3. 食育健康アドバイザーの知識が活用できる職場は?
- 4-4. これから必要とされる可能性を秘めた仕事
- 5. 食育健康アドバイザーに向いている人
- 6. 食育健康アドバイザーの知識が身につく資格は?
- 6-1. 食育健康アドバイザー
- 6-2. おすすめの理由
- 7. 基礎から学ぶのに最適なおすすめ資格講座
- 7-1. 健康アドバイザーW資格取得講座 | 諒設計アーキテクトラーニング
- 7-2. 食育資格取得講座| SARAスクールジャパン
そもそも「食育」とは?
「食育」という言葉を聞くと、難しく考えてしまう人もいるかもしれません。
農林水産省では「食育」は正しい食の知識を身につけ、健全な食生活を営む人間を育成することを目的としてこの言葉を使用しています。
一般的には家庭生活などにおける子供の教育の一環で「食育」という言葉が用いられることも多いのですが、大人の生活にも深く関わっているものです。
コンビニやスーパーなどで手軽に出来合いのお惣菜などが購入できるようになった反面、偏食や食生活の乱れなども問題となっています。
それらの現実問題を踏まえて、食育健康アドバイザーを目指す人々は、次に述べるような動機から食育のスペシャリストを目指すという方が多いと言えるでしょう。
・食生活の知識を深めたい
・一人暮らしをきっかけに料理についての知見を深めたい
・家族の病気や子供の誕生を機に健康的なバランスが良い食事を作れるようになりたい
上記のようなきっかけで資格取得を目指す方々からは、「食育健康アドバイザー」についての知識を習得しつつ、食や食文化についての知見を深めようとする姿勢が伺えます。
食育の知識が求められる背景
ところで、なぜ食育が注目されているのでしょうか。
2005年に食育基本法が制定されましたが、その後の平成28年の第三次食育推進基本計画では、次のような重点課題が掲げられました。
1. 若い世代を中心とした食育の推進
2. 多様な暮らしに対応した食育の推進
3. 健康寿命の延伸につながる食育の推進
4. 食の循環や環境を意識した食育の推進
5. 食文化の継承に向けた食育の推進
これらの推進目標を達成するために、厚生労働省では以下のような目標値が掲げています。
主要な目標内容 | 平成32年度目標値 |
---|---|
食育に関心を持っている国民の割合を増やす | 90%以上 |
朝食又は夕食を家族と一緒に食べる「共食」の回数を増やす | 週11回以上 |
地域等で共食したいと思う人が共食する割合を増やす | 70%以上 |
朝食を欠食する国民を減らす | 子供の割合:0% 若い世代の割合:15%以下 |
生活習慣病の予防や改善のために、ふだんから適正体重の維持や減塩等に気をつけた食生活を実践する国民の割合を増やす | 75%以上 |
主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上ほぼ毎日食べている国民の割合を増やす | 国民全体70%以上 若い世代55%以上 |
食品中の食塩や脂肪の低減に取り組む食品企業の登録数を増やす | 100社以上 |
地域や家庭で受け継がれてきた伝統的な料理や作法等を継承し、伝えている国民を増やす | 50%以上 |
このように、食育は単なる家庭内の知識にとどまるものではありません。
むしろ国の政策として食育の知識を持つ人材を増やそうとしているのであり、その知識の裏付けとして食育健康アドバイザーが重宝されると言っても過言ではないでしょう。
食育健康アドバイザーになるには?
食育健康アドバイザーを目指すならば、まずは「食育」に関する正しい知識を身に着けなければなりません。
名称からも連想できるように、まずは栄養学や食材についての基本知識は必須項目と言えます。
また、食育健康アドバイザーとしてどのようなビジネスプランを描いているかで、加味する知識も変わってくるでしょう。
例えば、育児真っ最中のお母様方に対してセミナーを開催するのであれば、合わせて育児やコーチングの知識があったほうが望ましいかもしれません。
また、同じようなセミナーでも高齢者の方を相手にするには、介護の知識などもあると理解が深まると考えられますね。
このように、どのような将来を描くかで「食」の知識だけでは足りないと感じる人も出てくるのではないでしょうか。
それを踏まえて、比較的幅広いジャンルの知識をまとめて学べる、資格試験の学習教材などを利用してみるのも一つの手でしょう。
食育健康アドバイザーの仕事内容と活躍分野
食育健康アドバイザーの仕事は、食事や健康上の悩みを抱える人に対して解決方法を提案し、現状打破のきっかけを作るのが主な仕事です。
たとえば、同じ家庭環境で育った子供同士でも、体質の違いなどによってアレルギー反応や摂取するべき栄養素などは異なります。
また、日常における食事改善の知識を身に着けようとしてもネット上の情報収集や書籍だけでは断片的な情報も多く、体系的に学ぶのは難しいものです。
ご自身の知識を活用して、それぞれのご家庭にフィットしたオーダーメイドのメニューを提案できるのも、食育健康アドバイザーに期待される役割と考えられるでしょう。
4-1食育を実践するメリット
食育を日常生活の中で実践すると、次のようなメリットがあります。
1. 集中力や作業能力、学習効率の向上
2. 免疫力がアップする
3. 豊かな情緒が育まれる
4. 食事マナーが身につく
食育の具体例としては、「朝食を取る習慣」がわかりやすいのではないでしょうか。
朝食の習慣が身についている子供は生活リズムが整いやすく、学業面でも好成績を収めやすいと言われています。
また、夕食時に家族が揃って食事を取るように働きかけるのも、食育の一環に挙げられるでしょう。
食事の中で家族同士の談笑などを通じ、栄養摂取だけの場としてではなく、コミュニケーションを図る機会としての認識も生まれます。
これらの価値観は一朝一夕に身につくものではなく、また、子供が社会に出てから周囲の人とコミュニケーションを取る上でも、大切なスキルです。
このように、食育は「家庭におけるしつけ」の概念にとどまるだけではなく、親子や家族で食や健康、地域の文化などを振り返る機会にもなり得ます。
4-2文化継承の役割も担う
また、栄養面や食事内容だけを注視してしまいがちですが、食育基本法では、次のような教育も「食育」の一環と定めています。
1. 都市と農山漁村の共生・交流を深める
2. 「食」に関する消費者と生産者との信頼関係を構築する
3. 豊かな食文化の継承及び発展
4. 環境とのバランスが取れた食料の生産・消費の推進
5. 食料自給率の向上
どれも、日本人の健康や文化と深い関わりを持ち、SDGsの観点からも非常に大切な視点だと言えます。
それらの知識を、家庭を始めとして教育現場などでも子供たちや食文化についてしっかりと学びたい人々に対し、分かりやすく伝えるのも食育健康アドバイザーの役割だと言えるでしょう。
4-3食育健康アドバイザーの知識が活用できる職場は?
食育の知識は、栄養面だけではなく食事全般に対する知識が求められます。の就職先としては、次のような就職先が考えられるでしょう。
・食品メーカー
・飲食店
・オーガニック食品を扱うスーパー
・健康食品の店舗
「食」「健康」というジャンルは広い年代で関心を持つ人が多く、普遍的なテーマだと言えます。
例えば有機食品使用をテーマにしたレストランがあったとしましょう。「地元の有機野菜を扱っています」「信頼できる専属契約農家の食材を使用しています」というようなセールスポイントが加わることで、他のお店との差別化にもつながります。
その際に、来店したお客様に食材の詳しい説明や調理法を提案できるスタッフが常駐することで店の信頼度も上がり、食育健康アドバイザーとしてのスキルも磨かれると考えられます。
4-4これから必要とされる可能性を秘めた仕事
「食育」という言葉は食育基本法の施行以降、少しずつ広まってきているかもしれません。
しかし、それを実践できているかというと、親御さん世代でもまだ手探りの状態ではないでしょうか。
そのような状況の中で、子どもの食事の大切さや楽しさを伝えるには、まずは親御さん世代が食育の知識を身に着けなければなりません。
食育健康アドバイザーは、「正しい食育の知識を身につけて、子どもに心身ともに健康な人生を送ってもらいたい」と考えている人に、多くのヒントやアドバイスを送る人だとも言えるでしょう。
食育健康アドバイザーに向いている人
食育健康アドバイザーに向いているのは、次のような人だと言えます。
・食について深い関心を寄せている人
・家族の食生活を見直したい人
・一人暮らしなどをきっかけに、自分の健康管理をしっかり行いたい人
総じて、健康に強い関心があり学ぶのが好きな人は、食育健康アドバイザーに向いていると言えるでしょう。
また、管理栄養士の方などであっても、栄養やカロリーバランスだけでなく、幅広い知識を広げたいと考えているのであれば、違う視点からの知識が身につきます。
食育健康アドバイザーの知識が身につく資格は?
「食育」「健康」というキーワードで資格を検索すると、たくさんの資格名を目にするのではないでしょうか。
資格の種類が多いと、どの資格が自分に合っているのが、よく分からない人もいるかもしれませんね。
食育健康に関する資格として代表的な資格には、次のような資格があります。
名称 | 資格認定団体 | 資格の趣旨 |
---|---|---|
食育健康アドバイザー | 日本安全食料料理協会 | 食事や健康に悩む人を救い、現状を変えていくきっかけを作る。 |
管理健康栄養インストラクター | 日本インストラクター技術協会(JIA) | 栄養学などの知識を元に、人々に食育の大切さを伝えていく。 |
食育インストラクター | NPO日本食育インストラクター協会 | 食への正しい知識や食の安全、マナー、食糧問題、環境問題など幅広い知識を身につける |
フード・インストラクター | NPO法人みんなの食育 | 「野菜編」「畜産編」「穀類編」「魚編」「くだもの編」の5食材ごとに深堀りした知識を身につける。 |
食育アドバイザー資格 | 一般財団法人 日本能力開発推進協会 | 栄養学の知識や実践方法、安全な食材の見分け方や正しい食生活の指導力が身につく。 |
これらの資格のうち、各種講座の受講をしなくても挑戦できるのが、「食育健康アドバイザー」です。
6-1食育健康アドバイザー
先に述べたように、食育健康アドバイザーは「日本安全食料料理協会」主催の資格であり、業界内での信頼度は高いと言えるでしょう。
受験資格 | 特になし |
---|---|
受験料 | 10,000円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申込み |
受験方法 | 在宅受験 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 約2ヶ月に1度試験を実施 |
開業資格・講師資格としての指標に用いられる資格であり、資格取得者やスキルを確認したい採用サイドからも、スキルレベルを確認するのに適した認定団体だと言えるでしょう。
6-2おすすめの理由
・在宅受験が可能
・試験の実施スパンが2ヶ月に1度と挑戦しやすい
・指定講座を受講していなくても、受験できる
「忙しすぎて指定期間以内に学習が終わらず、受講費用が無駄になってしまった」という心配もないので、おすすめの資格です。
- 食育健康アドバイザー資格
- https://www.asc-jp.com/kenkousyoku/syokuiku/
基礎から学ぶのに最適なおすすめ資格講座
とはいえ、基礎から学んだ方が安心できるという人も多いのではないでしょうか。
そのような方に向いているのは、以下の講座です。
7-1健康アドバイザーW資格取得講座 | 諒設計アーキテクトラーニング
諒設計アーキテクトラーニングでは民間資格の資格講座に力を入れており、仕事に役立つ実用的な講座から、教養や趣味の分野まで幅広い講座が選択できます。
その中でも、食育健康アドバイザーW資格取得講座は食育健康アドバイザー資格と、同時に管理健康栄養インストラクターと2資格を対象にした講座で、非常に効率的に肩書を増やせるおすすめの講座です。
こちらの講座では、食育健康アドバイザー資格と管理健康栄養インソトラクター資格のWライセンスの同時取得が可能ですから、コスパが非常に良い点が魅力と言えます。
同スクールの食育健康アドバイザーW資格取得講座は、「基本講座」とスペシャル講座の2コースが用意されており、後者は卒業試験課題が認定されると、自動的に有資格者として認められるのが特徴です。
そのため、資格試験の受験費用がかからないので、初学者にも向いていると言えるでしょう。
講座の受講概要は、以下の通りです。
諒設計アーキテクトラーニング | 基本講座 | スペシャル講座 |
---|---|---|
教材内容 | 受講証・受講マニュアル・完全攻略テキスト2冊・練習問題集/解答用紙・練習問題解答集・模擬試験/解答用紙・模擬試験解答集・添削課題/提出用解答用紙・質問用紙・封筒 | 受講証・受講マニュアル・完全攻略テキスト2冊・練習問題集/解答用紙・練習問題解答集・模擬試験/解答用紙・模擬試験解答集・添削課題/提出用解答用紙・質問用紙・封筒・食育健康アドバイザー&管理健康栄養インストラクター 卒業試験(提出にて資格認定) |
受講期間目安 | 6ヶ月(最短2ヶ月) | |
添削回数 | 5回 | 5回+卒業課題1回 |
受講料 | 59,800円 | 79,800円 |
※資格受験の際は別途受験料10,000円が必要 |
7-2食育資格取得講座| SARAスクールジャパン
SARA スクールジャパンは民間資格の資格講座を中心に事業を展開していますが、一部国家資格・公的資格も扱っています。
諒設計アーキテクトラーニングと同じように、初期投資を抑えたい人向けの「基本コース」と、短期間での合格を目指し、受講修了後に2つの資格が同時に取得できる「プラチナコース」があります。
SARAスクールジャパン | 食育基本コース | 食育プラチナコース |
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教材内容 | ガイドブック、受講証、受講カード、学習テキスト01、学習テキスト02、練習問題集/解答、模擬試験/解答、添削課題(5回分)、質問用紙、封筒 | ガイドブック、受講証、受講カード、学習テキスト01、学習テキスト02、練習問題集/解答、模擬試験/解答、添削課題(5回分)、質問用紙、封筒、卒業課題 |
受講期間目安 | 6ヶ月(最短2ヶ月) | |
添削回数 | 5回 | 5回+卒業課題1回 |
受講料(税込) | 59,800円 | 79,800円 |
※資格受験の際は別途受験料10,000円が必要 |
諒設計アーキテクトラーニング、SARA スクールジャパンの両講座では、受講料金や受講の流れはほぼ同様で、サポート体制もどちらも充実しているのが特徴です。
両者とも2資格取得出来る画期的な講座であり、教材との相性や好みも踏まえ、まずは資料請求して実際の教材の感覚を確かめると良いでしょう。